第46回 世界の帆船模型展 5/6

 番号    船 名  製作者
No.41   エンデヴァー  碇 哲二
No.42   ベレロフォン  久保田 光昭
No.43    フェニックス  犬飼 邦夫
No.44    ソースイ・ジャック  戸田インゲボルグ
No.45    エンデュランス  郷原 邦昌
 番号    船 名  製作者
No.46   三檣ジャンク  竹本 喜道 
No.47   ローシャ  竹本 喜道 
No.48    アラート  犬飼 邦夫
No.49    フライ  太田 進
No.50    ペン画  福田 正彦

 No.41 エンデヴァー (ENDEAVOUR)

 

   製作者:碇 哲二    船 籍:イギリス    建 造:1768年    縮 尺:1/108 

   キット:自 作 《コーレル社の1/54キットの1/2縮尺図をベースに自作》    

 

 製作したキットを飾っておく場所がなくなり、対応策として小型の模型を作ることにしました。本同好会に入会し、最初の展覧会に1/54の大きさのコーレル社のENDEAVORを出展しました。今回はこのモデルの図面を1/2に縮尺し、それを参照して自作しました。

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 No.42 ベレロフォン (BELLEROPHON)

 

   製作者:久保田 光昭    船 籍:イギリス    建 造:1786年    縮 尺:1/72

   キット:ヴィクトリーモデル  

 

 昨年公開の映画「ナポレオン」終盤でヴィクトリーのイメージに寄せたためか、三層甲板艦として登場したベレロフォン。ヴィクトリーモデルの“ヴァンガード”のキットの装飾オプション3隻のうち、「栄光の6月1日」(1794年)、ナイル(1798年)、トラファルガー(1805年)、ナポレオンの身柄の確保(1815年)等、多彩な戦歴に惹かれて本艦を選択した。

 相変わらず製作に大幅な進捗がないが、ヴィクトリーの現況画像も参考にビレイピンのサイズやハンモックネットの網目サイズ等を決めて製作した。

 

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 No.43 フェニックス (PHOENIX)

 

   製作者:犬飼 邦夫    船 籍:ロシア    建 造:1787年    縮 尺:1/72

   キット:マスターコラベル    

 

 3隻目の作品です。ロシア帝国海軍黒海艦隊に所属していたといわれる12門のブリガンティン船。マスターコラベルはロシアのメーカですが、ミュージアムモデルとなっており、小さめですがとても精巧なキットでした。

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 No.44 ソースイ・ジャック (SAUCY JACK)

 

   製作者:戸田 インゲボルグ    船 籍:イギリス    建 造:1836年    縮 尺:1/64

   キット:バンガード   

 

 Barking Well Smack 「Saucy Jack」はこのタイプの船の典型的な例でした。この船は1836年にGravesendで建造され、全長60ft、重量51tでした。Saucy Jackは長年勤務して、1880年にBarkingを去った最後のwell smackとなった。

 Well smackはその後も他の港では長い間使用され続けました。1950年代までにフェローで漁を続けていました。

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 No.45 エンデュランス (ENDURANCE)

 

   製作者:郷原 邦昌    船 籍:イギリス    建 造:1917年    縮 尺:1/140

   キット:自 作     

 

 1914年8月~1917年、アーネスト・シャクルトンを隊長とする「帝国南極横断探検隊」28名と69頭の犬橇犬と1匹の猫を乗せて南極大陸初横断を目指して英国プリマスから南米ブエノスアイレスを経て南極大陸、南岸に向け出帆。1月には高さ30mある巨大な氷壁に遭遇したが、比較的開けた海域を航海し徐々に海氷に阻まれて、乗組員の努力も尽きそのまま越冬することにした。

 その後、氷に閉じ込められた「エンデュランス号」は潮流により北西に流されたが春になって船を取り囲んでいた浮氷の広さは数平方マイルにおよび、巨大な氷はバラバラになっては集まることを繰り返し10月24日には本船右舷側からの巨大な氷山に押し付けられ、フレームが大轟音と共に破壊され、海水の侵入に至り、11月21日沈没。

 2022年3月3008mの海底で発見された。28名の乗組員はマイナス37度の極寒と乏しい食料のなか実に22か月もの越冬生活を耐え忍び全員、祖国英国に帰還した。この船は当時の探検船としては「船側の厚さ」は75㎝、その他極地仕様に改装されていた。

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 No.46 三檣ジャンク (華南商船)

 

   製作者:竹本 喜道    船 籍:中 国    建 造:~20世紀    縮 尺:1/80

   キット:自 作 《Ships of Chaina : Nautical Technology in Chaina》          

  

 中国南部の外航帆船。古代から1970年頃まで長い歴史を誇る。西洋式とは異なりキールを持たず、隔壁材で組み立てる構造の船体である。竹材を使った伸子帆を用いる。基本的に個人所有の経営だったので船を住居にしていた。帆の構造上傷がつくと、つぎはぎで補修することができる。このためジャンク(ボロ船)と呼ばれるようになった。

 1970年以降は舟を住居にする住民は居なくなり、エンジンが搭載されて河川内海では帆がなくなってきたそうである。Lorchaと対比させるため25年前のジャンクを改修して出品することにした。

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 No.47 ローシャ (LORCHA)

 

   製作者:竹本 喜道    船 籍:フィリッピン・マレーシア・アモイ(中国) 

   建 造:18世紀~現代  縮 尺:1/50   キット:自 作

    《Ships of China (Valentia Sokoloff 1981:マニラ国立博物館展示写真:Nautical Technology in China (1971) :etc.》      

 

 18世紀前半頃、東南アジア各地はヨーロッパ各国から植民地化の被害を受けた。これに対抗して現地では速度の速い帆船が開発された。操作しやすい中国船の帆装を採用し船体を西洋式にした。いわゆる「合いの子船」である。ホンコン、マカオ、マニラ、マラッカなど南シナ海域の各地で.造船され活躍した。

 香港の女海賊(鄭一嫂)海賊軍が快速帆船を使ってこの領域を支配していた実績がある。現在中国が南シナ海全域の支配権を主張する根拠にしているようである。

 シンガポールで帆船模型キットを購入するとジャンク型でなくローシャ型になる。

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 No.48 アラート ( ALERT)

 

   製作者:犬飼 邦夫    船 籍:イギリス    建 造:1777年    縮 尺:1/64

   キット:写真(バンガードモデル)        

 

 10年ぶりに作った2隻目なので、小型のカッターを選びました。それでも出来上がった作品は反省点が多かったです。

 そこで完成した写真を大海原に浮かべてみました。Adobe PhotoShopでの合成ですが、それらしい波に苦心しました

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 No.49 フライ (FLY)

 

   製作者:太田 進    船 籍:イギリス    建 造:1776~1802年    縮 尺:1/64 

   キット:写真(アマティ)   

 

 このFlyは、英国海軍が1766~1780年にかけ計25隻建造したスワン型帆装船の1隻。端正な船体ラインを持ち、その豊富な装飾、彫刻等は並外れています。これ以降、戦費捻出の為建造費削減を徹底し、装飾、彫刻等を省きました。戦歴記録は余りありませんが、主に輸送船の護衛役、伝令役として従事し、後年仏国私掠船を2隻捕獲しています。最後1802年にニューファンドランド沖で浸水沈没しました。

 

※伊Amati社製キット。海外製キット製作は、DIY色強く、関連知識、技術が乏しい日本人にとって「忍耐必要」で「難しい」とのことです。

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 No.50 ペン画(13点) 

 

   製作者:福田 正彦

 

自己紹介

  1930年1月1日生まれ94歳。横浜帆船模型同好会の創設(1979年)会員の生き残り。今年で会の在籍45年となる。東京生まれの東京育ちだが、横浜に住んで62年になる。これまで何隻かの模型を作ったが、丸ごとキットを使ったのは1回しかない。なるべく他人の作らない船の模型を作ろうと苦労してきたが、まあ大したことにはなっていない。

 80歳で仕事から解放され、自由な時間ができたのでかねてから好きだったペン画を習い始めた。画歴まだ14年だが、残念ながら師事した師匠は2人とも早くに亡くなり、現在は自己流で描いている。線を基本とするペン画にとって空と海はもっとも難しい対象だが、取り組み甲斐のある相手でもある。 

 

① 帰 港:スター・クリッパーによるバルト海クルーズ。ヴァーネミュンデでの帆船パレードの帰途、船上より

② ファルマス港のシシャモ漁:カール・ネイピア・ヘミイの油彩画より

③ ファルマス港のカニ漁師:チャールス・ネイピア・ヘミイの油彩画より

④ 大西洋上の帆船群:パトリック・フォン・カクロイツの油彩画より

⑤ ジブを揚げろ:スター・クリッパーによるバルト海クルーズ。船上でのスケッチ

⑥ ナイルの海戦:ジョージ・アーナルドの油彩より

⑦ 朝陽を受けて:スター・クリッパーによるバルト海クルーズ。船上でのスケッチ

⑧ 嵐の中の第三等級戦列艦:ウィレム・ファンデヴェルデ・ヤンガーの油彩画より

⑨ 捕鯨船チャールズ・モーガンの船上より:米国、ミスティック海港博物館でのスケッチ

⑩ クァテモク:1982スペインで建造された鉄製の三檣バーク。船名はアステカ帝国最後の帝王の名に因む

⑪ ミスティック海港博物館の風景:米国、ミスティック海港博物館でのスケッチ

⑫ 食卓仲間:大型艦の水兵たちの団欒風景 砲列甲板の大砲の間にある食卓を挟んで

⑬ 帆船ヨーテボリ:スター・クリッパーによるバルト海クルーズ。デンマーク、クリスチャンソー島で

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