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No.41 ボノム・リシャール
(BONHOMME RICHARD)
製作者:長谷川 傳 船 籍:アメリカ 建 造:1779年 縮 尺:1/72
キット:エアロピコラ
本船は、1765年にフランス東インド会社の商船として建造され、アメリカが英国からの独立戦争中(1777年)にフランスから譲り受けて改装され、ボノム・リシャール(Bonho㎜e Richard)と改名された。
その後アメリカ海軍創設の父とも言われるジョン・ポール・ジョーンズの旗艦として、主に英国近海で英国の兵站や商船の交易阻止を中心目的に戦い、1779年9月英国海軍との英国フラムボロ―沖海戦で大きな勝利を挙げたものの自船の損傷も激しく後日沈没した。しかし、その後功績を称え、船名は近年まで継承使用されていた。
No.42 ラトルスネーク (RATTLESNAKE)
製作者:森下 豊次 船 籍:アメリカ 建 造:1779年 縮 尺:1/64
キット:モデルシップウェイ
1780年アメリカのマサチューセッツ州で私掠船として建造された。船名のラトルスネークはガラガラ蛇の意味。
南北戦争の際は、アメリカの私掠船として活躍したが、就役後直ぐにイギリスに拿捕され英国海軍に編入された。その後の消息はよくわかっていない。
この船はきれいな船体をしており、比較的小型で扱いやすいキットだが、リギングが難しく、多くを先輩方の作品を参考にした。船体の塗装は木目を生かそうとワトコ(ナチュラル)で塗装した。作り始め3年経ち、良い色になってきた。
No.43 コンスティチューション
(CONSTITUTION)
製作者:前岡 幸次 船 籍:アメリカ 建 造:1797年 縮 尺:1/1800
キット:自 作
場所を取らない置物として作成。対角線上に配置し、船尾のボートを含め出来るだけ無駄な空間を無くすよう配慮した。
参考資料:イマイ帆船模型総合カタログ1980
No.44 ユニコーン (UNICORN)
製作者:大野 茂雄 船 籍:イギリス 建 造:18世紀 縮 尺:1/75
キット:コーレル
18世紀の英国のフリゲート艦(9ポンド砲32門塔載)。今日の巡洋艦に相当し、哨戒、偵察、船団護衛などに多用された快速軍艦。この時代の船の貴重な資料を残している「船舶構造備忘録」の著者であり、スウェーデン王室科学研究員だったF.H.チャップマンが設計した。
デザイン、構造、流体力学上からその当時大変優れた船であったことは、この本の資料から伺える。特にチャップマンが研鑚開発した流体力学の研究の結果、この流麗な船体が出来上り、どのような風圧下でも余り揺れを起こさず、相当の速度で航行することができたと書いている。
No.45 プリンセス・メイズ (PRINCESS MAYSE)
製作者:福田 正彦 船 籍:イギリス 建 造:19世紀 縮 尺:1/38
キット:自 作
イングランド南部タマー川のバージ(重量運搬船)として建造されたが、スコットランドのブロデイックで小型帆船の沿岸客船として改造されたもの。イラストに似せてジオラマにした。
北海道産の「エリマキ」という真っ白な木材を使いたくてこの船を選んだ。船のウェザリングと海の色に苦労した。
参考資料:Working Boats of Britainのイラスト、図面は他の同様の船の図面を改変して模型図面を作成
No.46 カティ・サーク (CUTTY SARK)
製作者:石川 雅庸 船 籍:イギリス 建 造:1869年 縮 尺:1/80
キット:ウッディジョー
1869年進水の3本マストの高速ティークリッパー(紅茶輸送)である。長さ86m、幅11m、喫水7m排水量963トン、乗組員28名。 魔女ナニーが、盗み見した若者を、カティ・サークを身にまとい疾風のごとく追いかける物語から、船名にしたと言われている。
1872年のサーモピレーとの白熱のティークリッパー渡洋レースはあまりに有名で、最終結果は7日遅れでカティ・サークがロンドン帰港したが拍手喝采だった。今回、製作にあたって、キットは甲板上の小物などプラ部品が多用されていたが、全て木製に作り直し完成させた。
No.47 バダミャーⅡ (BADAMYAR Ⅱ)
製作者:竹本 喜道 船 籍:ミャンマー 建 造:1950年 縮 尺:1/50
キット:自 作
ミャンマーのエラワデイー川で米を運搬するのに使われていた運搬船である。旅客も利用していた。現在では既に使われなくなっているようである。大小様々なサイズの帆船で、大型船は海にも出ていた。15年以前に1隻模型製作してこれが二度目である。
バダミャーとはビルマ語でルビーのこと。ミャンマーは天然のルビーを産出するので有名である。ミャンマー大使館に情報を尋ねたが相手にされなかった。参考資料やイラストモノクロ写真などは以前に船の科学館の資料室から拝領した。このルートも今は閉ざされている。優雅な姿が好きな帆船である。 参考資料:船の科学館資料室から情報採取
No.48 ベル・プール (LA BELLE POULE)
製作者:末𠮷 理延 船 籍:フランス 建 造:1932年 縮 尺:1/50
キット:DUSEK
フランス海軍の最古参訓練用スクーナーである。1932年にNormandieのFecampで姉妹船エトワールとともに建設され、第二次世界大戦で解放軍とイギリスで戦いました。キットはロンドンPremier ship modelsから直輸入した国内未発売の船のため、説明書と図面の和訳、理解に時間を要した。また、船体に貼る外板が1㎜、0.5㎜と薄く、喫水線下部の銅箔テープも厚み0.0125㎜と薄いため、凹凸なく制作するのに神経を使った。また、ヤード、ガフ、ブームを最初に装着したため、セイルを取り付けるのに苦労した。
No.49 琵琶湖の丸子船
製作者:関口 正巳 船 籍:日 本 建 造:昭和初期まで 縮 尺:1/25
キット:自 作
第41回展では船体のみの状態で出品したが、今回は帆付きの状態で完成させた。帆は、研究調査報告書に記載されていた北淡海・丸子船の館に現存する工楽松右衛門帆を、1/25という縮尺で、できるだけ忠実に再現することを試みた。
帆の各反の継ぎ目の間隔は、船尾の舵取りが進行方向を見定めるために開けているとのことである。実寸で約6~8㎝。
参考資料:琵琶湖博物館開設準備室研究調査報告書4号および研究調査報告書13号「よみがえる丸子船」
No.50 アヤナ ラコ ディア (ANAYA RAKO DI’A)
製作者:竹本 喜道 船 籍:インドネシア 建 造:2020年 縮 尺:1/150
キット:自 作
インドネシアのピニシ船は2017年12月に世界文化遺産に登録された。ピニシ船はスラウェシ島のコンジョ地方に古くから伝えられた独特の技術で建造される。熱帯圏のインドネシアは1万3千以上の島々の群島国家で、現在も帆船が活用されている。世界最大の帆船活用国である。
アヤナ ラコ ディアは、世界文化遺産に登録されたことを記念して建造された最高級の観光クルーザーで、客室は絢爛豪華な内装を誇る。本来ピニシ船は帆船であるが、アヤナ ラコ ディアは600HPエンジンを2基搭載するモーターヨットスペックになっている。船名は「平穏安全な航海」を意味する。