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No.21 プリンス (PRINCE)
製作者:藤原 義孝 船 籍:イギリス 建 造:1670年 縮 尺:1/144
キット:マモリ
プリンスは100門の大砲を装備した英国海軍の第一級戦列艦で1670年に建造された。1673年イギリス艦隊の旗艦としてオランダ艦隊とセルテ島の海戦で活躍し損傷も受けたが勝利を収め、イギリス海軍の中での評価を高めた。
プリンスはトランサムの装飾が豊富で、最も美しい17世紀の英国船の一隻になっている。ジオラマ展示用に追加したセイルは同じ頃建造された近似仕様モデルの資料を参考に製作した。
No.22 フリードリッヒ・ウィルヘルム
(FRIEDRICH WILHELM)
製作者:勝又 晴夫 船 籍:ブランデンブルグ 建 造:1661年 縮 尺:1/50
キット:ユーロモデル
ブランデンブルク王国の56門戦列艦である。フランス海軍と闘い勇名を馳せたが、1693年に70門のフランス艦と闘い、これを沈めたが、自艦も火災を起こし沈没した。艦名は海軍力に力を注いだウィルヘルム侯爵の名前から付けられた。
No.23 ロングボード ( LONGBOAT)
製作者:藤原 義孝 船 籍:イギリス 建 造:1742年 縮 尺:1/48
キット:SYREN Shipmodel Company
イギリス海軍は1780年からLongboatを装備した。作品は Medway第一級戦列艦(60門砲)に搭載されていたLongboatである。Longboatは一般的に船上で運ばれる最大のボートである。その結果それらのサイズは一律ではなく、搭載する親船のサイズによって異なり、長さ(10m〜7m),ビーム(3m〜2m),オール数(10〜6)等で10種類のサイズ別Longboatが建造されていたようだ。
No.24 ラ・クローン (LA COURONNE)
製作者:前岡 幸次 船 籍:フランス 建 造:1638年 縮 尺:1/123
キット:シップモデル奥本
一般的な構造模型に初挑戦の作品。
No.25 ル・ロワイヤル・ルイ (LE ROYAL LOUIS)
製作者:濱中 聖之進 船 籍:フランス 建 造:1697年 縮尺:1/200
キット:自 作
本艦は、フランスの110門第一級戦列艦で、建造当時の大型模型が博物館に保存展示されている。第37回展覧会に本艦の1/100スケールで船体のみを出品したことがあるが、大き過ぎてリギング製作は断念した。
そこで今回この艦を1/200のミニチュア構造模型化して、リギングまで製作。船体は上下二分割する手法で製作、船底部のフレームはMDF材、装飾は粘土やレジンを使用。また大砲はケント紙を丸めて作った。微小なブロックはケント紙やレジンを駆使。製作総工数は890時間で、日数では210日を要した。 参考資料:ネット収集画像
No.26 グラナド (GRANADO)
製作者:馬場 裕 船 籍:イギリス 建 造:1742年 縮 尺:1/64
キット:自 作
飯沢さんの描かれた図面は、ダブル構造フレームなので作りやすく、また強度もある。以前の出品時はフレーム製作までであったが、今回少し手を加え、ポートサイドに柘植材の外板貼り、大砲、錨等の艤装をした。これでこの船の特徴を表現できた。
ドア類は開閉可能である。搭載ボートは本船に乗り切らなかったので、別の台に乗せた。平時は臼砲(mortar)ハウジングの上に固定されているとアナトミー本にあるので、いざ敵国を攻撃する際は準備が大変だったと思われる。セイル着装の図面が描かれてなかったので、他の資料のイラストを参考にした。 参考資料:飯沢氏図面、アナトミー
No.27 グラナド (GRANADO)
製作者:大坂 義昌 船 籍:イギリス 建 造:1742年 縮 尺:1/64
キット:同好会のカットモデル
海上から敵沿岸要塞攻撃を目的とした大口径の臼砲2門を装備した英国の臼砲艦。 建造当初はスループとして就航したが、1756年臼砲艦に改修された。
41回展ではスクラッチビルドで1/96のGRANADOを造船途中の状態で出品し、今回はカットモデルの出品です。このカットモデルは、構造模型講習会の副教材として同好会でキット化し提供されたもので、コロナ禍で休講中に製作した。教材どおりに製作したが、追加で外板・甲板の板張りやイカリ等は自作した。
No.28 スタテンヨット・ユトレヒト
(THE STATENJACHT UTRECHT)
製作者:西谷 眞宏 船 籍:オランダ 建 造:1746年 縮 尺:1/64
キット:自 作
オランダ独立時の中心都市Utrecht(ユトレヒト)で、1713年にスペイン継承戦争とイギリスのアン女王戦争など一連の終戦講和条約がここで締結された。本船は、その都市名を冠したオランダの公用船で豪華な装飾と小口径の砲装を備え、VIP送迎や哨戒、連絡の任務に就いた。国の最盛期を反映している。
1997年にユトレヒトのファイリングハーヴェン・ヤード(Veilinghaven)でレプリカ船の建造検討が開始され、2003年5月に完成した。この船の自作にあたり、装飾彫刻が多い船は無理を承知の挑戦で散々な苦労をした。
参考資料:The Statenjacht Utrecht / Cor Emke(plans)
No.29 ベローナ (BELLONA)
製作者:古川 真一 船 籍:イギリス 建 造:1760年 縮 尺:1/96
キット:自 作
5回目の出品で、完成まで7年が経った。前回の出品時からフィギュアヘッドの飾り(鳥)の追加、艦載艇、船尾灯を追加してやっと完成した。3年前の船体構造製作時のずれが、スターン部の窓枠のずれを生じさせているなど、修正ができない部分で不満なところが多い。
1/96を選んだため、窓の桟など1㎜以下になり、レーザーカッターで製作した部分がいくつかある。レーザーカッターも船体に合わせてデータを作る必要があるので、データ制作に時間がかかり、最初に作って取り付けてみて最終データを修正していくなど手間がかかった。 参考資料:Anatomyの図面および同好会の図面
No.30 パンドラ (PANDORA)
製作者:薬師 正徳 船 籍:イギリス 建 造:1779年 縮 尺:1/64
キット:自 作
構造模型はハードルが高く躊躇していたが講習会に参加。先輩諸氏の作成された図面をもとに教えを請いながら4年かけ完成に漕ぎ着けた。コロナ自粛で展覧会が中止になったことでボートを搭載したり、船台をスプリット・ブロックと支柱で建造中の雰囲気に変えてみたりすることができた。
パンドラはイングランドで建造され、軍艦「バウンティ」の反乱を制圧するため南太平洋に派遣されて反乱分子を捕らえた。拘束した乗組員はパンドラの船尾甲板に作られた檻に収容され、その檻を「パンドラの箱」と彼らは呼んだ。
参考資料:アナトミー