|
No.11 ラ・クローン (LA COURONNE)
製作者:薬師 正徳 船 籍:フランス 建 造:1636年 縮 尺:1/98
キット:マンチュア
今年は「ガレオン船」特集とのことで、10数年前に製作し廃船直前になっていたラ・クローンを、塵を払いし出展することにしました。今見ると粗が目立つ所が色々あって手直しをしたくなりますが、この製作経験が今日に生かされていると思うと、いとおしくなります。
この船はフランスの造船技術がヨーロッパで最高といわれたころの1636年に進水した3本マストのガレオン船で、ガンデッキは2層構造の72門を装備した軍艦です。「ラ・クローン」はフランス語で「王冠」の意味で、船体にはブルボン王家の紋章である百合が装飾されています。
美しい船型に魅せられ着手しましたが、思った以上に苦労の連続であったことを思い出します。
No.12 ル・ソレイユ・ロイヤル
(LE SOREIL ROYAL)
製作者:石丸 昌孝 船 籍:フランス 建 造:1669年 縮 尺:1/77
キット:セルガル
ルイ14世の命令で建造されたフランスの第一級戦列艦です。砲104門を備え、パルフルールの海戦、ハーグの海戦にフランス艦隊の旗艦として参加しました。ハーグの海戦では、対抗する英・蘭連合艦隊に対して圧倒的劣勢の中で出撃し、勇戦奮闘したのち、シェルブール海岸に座礁し爆発炎上しました。
この戦列艦は、装飾品がかなり多く船体との合わせ方に苦労しました。
No.13 ベルリン (BERLIN)
製作者:伊藤 正喜 船 籍:ブランデンブルグ 建 造:1674年 縮 尺:1/40
キット:コーレル
この作品は今から30数年前、大阪在住時代に全くの自己流で作り始め、船体外板を貼り終わったところで東京に転勤となり、以降、帆船模型に接する機会は完全になくなっていました。5年ほど前に当同好会に入会したのを機に模型作りを再開し、昔の船体はそのまま使用し、船体装飾、艤装品のみ追加製作しました。
今のキットは全てレーザーカットされた正確な部品で構成されていますが、これは40年近く前のキットゆえ棒材、板材等の素材が入っているだけで部品は全て手作りとなり、これがまた非常に楽しく良い経験になって、次の作品につながっているような気がします。
No.14 サン・フェリペ (SAN FELIPE)
製作者:岡本 喜郎 船 籍:スペイン 建 造:1690年 縮 尺:1/75
キット:パナルト
1588年のアルマダ海戦において、無敵艦隊が英国艦隊に敗れて以来、衰退著しいスペインが国家の威信と海上覇権の挽回をかけて、1690年に建造した戦列艦とされます。しかし、U氏によれば、この船は実在した船ではないとのことです。真偽はさておき、10年程前に製作したものですが、今回、帆装、動索をやり直しての出展です。
なお、文禄5年(1596年)、嵐のため土佐に漂着し、秀吉のキリスト教迫害のきっかけとなる事件を引き起こした、スペインのマニラ・ガレオン船の名も同じ「サン・フェリペ」ですが別の船です。
No.15 ユニコーン (UNICORN)
製作者:猪股 敏昭 船 籍:イングランド 建 造:18世紀 縮 尺:1/75
キット:コーレル
約30年前に製作した私にとって3作目の木製帆船模型です。
当初はキット組立説明書どおりに製作しましたが、今回、出展にあたってリギングを一新し、艤装の一部にディテールアップを試みました。
No.16 サンティシマ・トリニダート
(SANTISIMA TORINIDAD)
製作者:久保田 光昭 船 籍:スペイン 建 造:1769年 縮 尺:1/700
キット:Navy Books & Models
当時スペインの植民地であったキューバで1769年進水した戦列艦です。当初は通常の三層甲板戦列艦でしたが、その後に艦首楼と艦尾楼甲板をつなぎ四層甲板戦列艦となりました。正式艦名は聖母を意味するNuestra Senora de la Santisima Trinidadです。
世界最大と期待されましたが(実際にはより新型のフランス120門艦の方が大きかった)、トラファルガー海戦で損傷しその後の嵐で沈没しました。スペイン人にとっては戦艦大和的存在と言える艦です。
キットは現在でもNavy Books & Modelsという業者から入手可能です。
No.17 ペガサス (PEGASUS)
製作者:伊藤 正喜 船 籍:イギリス 建 造:1776年 縮 尺:1/64
キット:ヴィクトリーモデルズ
1778年英国シアネス造船所で建造された6等級スワン型スループ船です。 実在した船で英国海洋博物館には実船の図面が保存されています。 関連資料も豊富で、それらを参考にして至る所で改造を加えたり、部品を自作したりしたため、完成に3年近くもかかってしまいました。
ガンデッキ上の艤装品も結構凝って作ったものの、クォーターデッキを貼ると全て見えなくなるため、急遽これを構造模型風に改造してみましたが、結局ほとんど見えなくなってしまい、折角の苦労も水の泡に・・・。 フル・リギングも初めての挑戦で、失敗の連続でえらく苦労しました。
No.18 ボノム・リシャール
(BONHOMME RICHARD)
製作者:長谷川 傅 船 籍:アメリカ 建 造:1779年 縮 尺:1/72
キット:エアロピコラ
ボノム・リシャールは、フランス東インド会社の商船(Duc de Duras)として1765年に建造され、その後1777年に米国が譲り受け軍艦へ改装し船名もボノム・リシャールと改名されました。米海軍創設の父とも言われるジョン・ポール・ジョーンズの旗艦としてフランスの港を拠点に英国近海で英国海軍の兵站や英国商船の交易阻止を主目的に活躍したアメリカ海軍創成期のフリゲート艦です。
本船に関しては幾つか異なる図面が存在しますが、今回はAeropiccola社製のキット図面に準拠しました。
No.19 オランダの捕鯨船
(BALENIERA OLANDESE)
製作者:早坂 哲郎 船 籍:オランダ 建 造:17世紀 縮 尺:1/60
キット:自 作
船の図面をコピーしに行ったところ、その店の店長が私も帆船を造っていますとのことで、その店長が持ってきてくれたのが本船のオランダの捕鯨船の図面でした。
図面の100%とその図面の60%でコピーをしてもらい、100%の船は友人に提供し、本船は60%の図面で製作したものです。
No.20 フィギュアヘッド(FIGUREHEAD )
製作者:濱中 聖之進 船 籍:イギリス 建 造:1719年 縮 尺:―
キット:自 作
英国の第一級戦列艦「ROYAL WILLIAM」が進水してちょうど300年、2頭の馬が対になったフィギュアヘッドはとてもユニークなデザインとなっています。
本作品では船首部分のみを「置物」として作ってみました。ヘッドレールやステムはフィギュアヘッドを引き立てるようなフォルムに調整しています。スケールは1/172、1/92、1/64の3パターンで、スケールが大きくなるにつれて、細部を正確に表現するのが難かしかったです。彩色は変化を付けて、あえて3通りにしてみました。なお、主な材料は石粉粘土とMDFで、全製作期間は2か月です。