第36回 世界の帆船模型展 1/8

番号   船 名 製作者 番号   船 名 製作者
No.  1   ソヴィリン・オブ・ザ・シーズ 三浦 薫範 No.  6   ル・ルイ・カンズ 濱中 聖之進
No.  2   バイユーのタペストリー 宮島 俊夫 No.  7   セント・マイケル 濱中 聖之進
No.  3   函館大戦争図 宮島 俊夫 No.  8   ギリシャのバイリーム 五十嵐 康晴
No.  4   ストーンウォール 宮島 俊夫 No.  9   咸臨丸 中村 健司
No.  5   ラ・トルネーズ 高橋 恒夫 No.10   チャールズ・ヨット 猪股 敏昭

  No.1  ソヴリン・オブ・ザ・シーズ 

        (SOVEREIGN OF THE SEAS)

 

    製作者:三浦 薫範     船 籍:イギリス     建 造:1637    年縮 尺:1/77

    キット:自 作

 

  世界最初の本格帆装戦艦 "黄金の悪魔" ソヴリン・オブ・ザ・シーズは皮肉にもこの艦名の頭文字を並べると「SOS」で現代、万国共通の救難信号であり、予見するかのような不慮の火災から沈んでしまった。また、この船ははっきりした図面などがないため、様々な絵画や模型などからの様子でしか見ることが出来ない。

 今回製作に当たりオランダやスペインなどからは黄金の悪魔とよばれるにふさわしい華美な彫刻と異様な雰囲気が見てとれるような船体に仕上げた。余談だが、日本では鎖国の江戸時代でキリスト教弾圧の "島原の乱" の最中だった。

 

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  No.2  バイユーのタペストリー

         (Tapisserie de Bayeux) 

 

    製作者:宮島 俊夫     船 籍:ー     建 造:―     縮 尺:ー

    キット:自 作(タペストリー)

 

 帆船模型を始めた頃から帆船関係の本でバイユーのタペストリーを見て興味を持った。全面を見たいが断片的にしか載っていない。1999年に北欧のツアーに参加し、ノルウェーのバイキング博物館に行った。売店に全体が載ったパンフレットがあった。長さ70メートル、縦50センチ、フランスのバイユー・タペストリー美術館に展示されている。 

 通常タペストリー(綴れ織り)と云われるが実際は刺繍である。綴れ織りでは手が出ないが、刺繍ならば出来ると描き始めた。線のゆがみを直したり失われている所を補足したり苦労した。どの位掛かったか覚えていない。

 

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  No.3    函館大戦争図

 

    製作者:宮島 俊夫    船 籍:日 本     建 造:―     縮 尺:ー

    キット:自 作

 

 慶應3年(1867年)榎本武揚は旧幕府艦隊を率いて江戸を脱出し、函館五稜郭にたてこもった。新政府海軍は新鋭の甲鉄艦(ストーンウォール)、春日、陽春、丁卯などの艦隊がすでに結集していた陸軍と合流、五稜郭を砲撃し五稜郭は陥落した。

 錦絵の中に後に政府に仕えた榎本武揚(釜二郎)、松平太郎、大島圭介、そして戦死した土方歳三が描かれている。自分の製作したストーンウォールが参戦した錦絵に興味を持って手掛けた。

 

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  No.4  ストーンウォール (STONEWALL) 

 

    製作者:宮島 俊夫    船 籍:フランス    建 造:1864年    縮 尺:1/200

    キット:自 作

 

 本艦は南北戦争(1861~65)中に南部連合の発注でフランスで建造された。その後契約が破棄されたので、デンマーク海軍に譲渡されたが、南北戦争終了後アメリカ海軍が再購入した。その後大政奉還から明治新政府が購入し、甲鉄となり五稜郭の函館戦争に参加した。 

 前回出来なかった帆装に掛かったが、もともと満足な図面が無いので、前檣は兎も角後檣の根元に砲塔があったりで、スタンディングリギングやランニングリギングが砲口を遮らないように位置を決めるのに大分苦労した。

 

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  No.5  ラ・トルネーズ (LA TOULONNAISE) 

 

    製作者:高橋 恒夫    船 籍:フランス    建 造:1823年    縮 尺:1/75

    キット:コーレル

 

 フランス軍港として有名なツーロンで進水し、ジョルスィン提督に率いられて対スペイン海戦に参加した。ラグスルという特殊な後帆を操り、帆船時代の後期、フランス海軍で活躍した美しい快速帆船。8門のカロネード砲を主武装とし、カルベリンという小口径の旋回砲も数門搭載していた。 

 美しい快速帆船の魅力に惹かれて製作した。製作には、自作品を多く使い美しさを出した。

 

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  No.6  ル・ルイ・カンズ (LE LOUIS QUINZE) 

 

    製作者:濱中 聖之進    船 籍:フランス    建 造:1692年    縮 尺:1/60

    キット:自 作

 

 パリ海洋博物館に展示されているルイ15世の名を冠する大型模型の画像を基に製作。国王の権威の象徴として設計された戦列艦だけに、彫刻で埋め尽くされた船尾は豪華というより他にない。 

 本作品は、2013年の出展に続く『スターンギャラリー・シリーズ』第二弾として製作した。石膏粘土(商品名:ラ・ドール)で作った約100個のパーツで構成されている。製作期間は約6ヶ月。本スペックで実際に製作された戦列艦としてはLE ROYAL LOUIS(112門)がある。彫刻の全貌が分かったので、現在『船体模型(ハルモデル)』を計画中である。

 

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  No.7  セント・マイケル (St. MICHAEL) 

 

    製作者:濱中 聖之進    船 籍:イギリス    建 造:1669年    縮 尺:1/60

    キット:自 作

 

 英国海軍の90門第二級戦列艦。ソールベイの海戦ではPRINCEと共に参戦し、その後再建造されてMARLBOROUGHと改名。艦の内外とも彫刻で飾り立てた時代の戦列艦であるが、この時代の船尾の特徴としては、 ①台形状船尾全面に彫刻が格子状に配列され、②ライオンと馬の紋章彫刻があり、③窓はMIDDLEとUPPER DECKの2層、④ランタンは至ってシンプルな球形状、⑤船体はラウンドスターン・・・といった点である。 

 本作品は石膏粘土(商品名:ラ・ドール)で作った約120個のパーツからなり、仕上げは「金泥雲母」を使用。

 

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  No.8  ギリシャのバイリーム (GREEK BIREME) 

 

    製作者:五十嵐 康晴    船 籍:ギリシャ    建 造:BC.480    縮 尺:1/35

    キット:アマティ

 

 この速くて恐ろしいガレー船バイリーム(二段櫂船の総称) は、総勢44人の漕ぎ手を乗せて戦っていた。 船首には敵船に突き当てる衝角を持ち、舳先には敵を睨み付ける眼が描かれていた。船首衝角を敵艦に突き当てる時の衝突スピードは10ノット(約19km/H)を超えたとされる。 

 今回、舳先の眼を彫刻で作り、セイルは貼り合わせ方式で作製した。

 

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  No.9   咸 臨 丸 

 

    製作者:中村 健司    船 籍:日 本    建 造:1857年    縮 尺:1/75

    キット:ウッディジョー

 

 私は25年前、夢にまで見たサンフランシスコのゴールデンゲートに立った!そこは1860年、日米通商条約遣米使節団を乗せたあの歴史的軍艦「咸臨丸」の目的地だったのです。当時、軍艦奉行木村摂津守29歳、勝海舟37歳、ジョン万次郎33歳、福沢諭吉25歳、総員94名。航海日数は往路38日でした。 

 模型の喫水線下は実船と同じ銅板貼りに挑戦しました。銅板貼りは全く知識がなく今後の課題ですが、銅板独特の何とも言えないくすんだ色合いが出たのが嬉しい。

 

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  No.10  チャールズ・ヨット

        (CHARLES ROYAL YACHT) 

 

    製作者:猪股 敏昭    船 籍:イギリス    建 造:1674年    縮 尺:1/64

    キット:ウッディジョー

 

 2012年に横浜帆船模型同好会に入会させて頂き、早速参加した基礎講習会の教材として製作した作品です。 

 今まで我流で帆船模型を製作していた私にとって講習で教示頂いた工法は大変参考になったのですが、講習日程と私の工程進捗が一致せず講習内容の反映が不十分な作品となってしまいました。次回の製作に当たっては、今回の講習で得た知識でより良い作品を作っていこうと決意している次第です。

 

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