初心者向け参考資料
先ほどキットに付いている説明書で作るというように説明しましたが、説明書だけでは何となく不安です。近くに船を作った経験者、模型に詳しい人がいて教えてもらうのが上達の早道ですが、なかなか思うように知己を得ることができないのが現実です。
もうかなり古い資料ばかりですが私が入手し使った参考書を順に説明しましょう。中には現在も販売しているものもあるので本屋さんで見つかることがあります。絶版になったものもあるのでこちらはもし持っている人をみつけたら、遠慮しないで借用しましょう。絶版という厳しい資料なので破ったり、汚したりしないことが最低限のマナーです。できれが少し高くつきますが、コピーをしても良いでしょう。
○ Period Model Boat Manual
イタリアのAEROPICCOLA社が主に自社のキットを作るために発行したマニュアルです。英文ですが「木製帆船模型の手引き 和文解説書」の翻訳書が付いていました。内容的には非常に簡単な解説ですが、当時はこれが唯一の頼りで一生懸命読みました。
○ MODELLISMO NAVALE STATICO ANTICO
フランスはビンセント・ルッシイ著のイラストが豊富でかなり詳細に書いた初級者向け解説本です。本文はフランス語?の様ですが日本語の翻訳書が付属しています。色んな船の模型作品も掲載され楽しく見ることができます。
○ 帆船模型・桃園書房
帆船模型の作品写真集、帆船の概説、海戦術、海洋文学の紹介等帆船を知る初歩の解説、因みに私の作品も掲載されています。
○ 帆船模型製作テクニック 草野和郎 海文堂
初代ザ・ロープ会長の氏が初歩向けにキットの作り方を船体作りから帆の張り方まで一通り解説し、帆船の解説書、帆船発達史等、帆船の概要も得られます。
この本は今でもよく書店で見かけるので入手しやすいでしょう。
○ 帆船 GUIDE BOOK 今井科学監修 江崎書店
模型メーカーのイマイが監修した、帆船百科、帆船模型百科、帆船と帆船模型の資料の3部作でイラストが多く初心者にわかりやすく優しい解説で親しみやすい参考書です。内容が初心者向けの親切で詳しく、これはと感心した本です。
○ 帆船模型 東 康生・竹内 久共著 保育社カラーブックス
日本の帆船模型界草分け的なザ・ロープ創世紀からのメンバーで元毎日新聞雑誌部門のカメラマンだった東さんが模型作品の写真集を、永年ザ・ロープの副会長で活躍されていた竹内さんが帆船模型の作り方を多くのイラストとともにかなり詳しく解説しています。ポケット版の小型本で携帯に便利、価格もテレホンカード並、それに私の作品も掲載されているので、テレホンカード進呈の気持ちで、10冊、20冊と購入し、知人に記念品として贈呈しています。今でも大抵の本屋さんで見かける貴重な資料です。初心者には座右の書として大いに役立つ本として推薦します。
作品写真
帆船模型の写真を見るのも、作る上で良い参考資料になります。未経験の初心者が、作り上げたときの姿を想像することは難しいのです。写真を見れば疑問箇所がよく分かることもあります。うんと細部になると、欲しい情景が得られない場合も多いのです。
写真の入手は、市販の写真集なら簡単に本屋さんで入手できます。また近くにモデラーがいれば大抵自分の作品を初めとして、色んな写真を持っています。
展覧会を見る
各地で定期的に多分1年に1回くらいと思いますが、展覧会を開いています。現物を見れば写真よりよく分かります。作者によって多少作り方の特徴はありますが、基本的には大差ありません。知りたいところはクラブの人に聞いてみると大抵親切に、場合によっては詳しすぎるくらい教えてくれます。まあ質問を熱心にするとクラブへの入会を勧められることがありますが、良かったら入会して下さい。年1回といわず、のべつ質問に答えてもらえるようになります。何しろ船は複雑なので、人によって教え方が違う場合もありますが、疑問は短時間で解消することになります。
ホームページをサーフィンする
帆船模型に関係したホームページが増えてきました。一つ開けば大抵色んな所へリンクしているので、そこを起点にサーフィンができます。最近の情報、作品の発表、作り方と多くの情報が得られます。
IT革命のまっただ中、ホームページを利用しない手はないでしょう。作りながらホームページを利用するという、しかも殆どメールアドレスが出ているので質問も簡単にできます。ホームページの内容についての質問は勿論、船の作り方も教えてもらうことができます。ただ作者によっては、作るのは好きだけど、教えるのはいやだという人もいます。良く相手の方とコミュニケーションをとって失礼の無いようにお願いします。
マニュアルビデオテープ
他のホビーではよく見かけます。だけど残念ながら帆船模型に関してはマニュアルビデオテープの市販はなさそうです。これも雑誌同様、需要数の関係だと思われます。インターネットがここまで普及してくると、時代の遺物として取り残されるような気がします。
今私が作っているロイヤル・キャロラインは製作の初めからデジタルビデオで記録を取っています。作品完成後、編集するつもりでいますので、そのうち皆さんにお目にかかれるかも分かりません。
期待しないで待って下さい。