ガンポートの穴は四角です。丸穴と違って当然1回で開けることはできません。3mmくらいのドリルで四角に描いた枠の中を、連続して穴を開けます。その穴を辿って枠の形にカッターナイフで切り込みを入れますが、切り抜いた後は切断面ががたがたです。これを鑢で整形し四角い形に整形します。
良く模型を始めたばかりのビギナーはもし間違えて穴を開けたらと大変緊張されるようですが、このようなコンストラクチャーモデルの場合は修正がどうにでもなります。削りすぎたらその部分を補填する、勿論削り足らないと削ります。
この辺がキットと違うのは穴を開けた後に枠木をはめ込むので、コーナーが自然に角張ることです、鑢仕上げだけだとどうしてもシャープな角が出ず、丸みを帯びた不自然な穴になりやすいのです。
74門艦ですから74個の角穴を開けます。同じ作業が続くと本当に途中でいやになることがあります。そのとき完成した姿を夢に描くと、又心は躍り、腕が鳴り出します。模型作りというのは終始この繰り返しで作品を作っていくのです。
本当はいろいろ板を貼る順序があるようですが、又参考書にも書いた物がありますが、私は全てこれを無視しました。そしてウエルからと船底から順に板を貼っていきました。
貼る板は市販の板を買って製材し、厚さ3mm、幅9mmの物を大量に揃えました。
船を見て分かるように船首の方と船尾側は真ん中の部分より板材が狭くなっています。これはフレームの貼り付け部分の長さを配分した寸法になるまで板材を削って、調整します。
船首と船尾の板はカーブを付けます。船が大きいので急なカーブがなく曲げやすいのですが、それでもかなりカーブの付いた部分があります。これはイタリー製のアイロン式曲げ鏝で板に熱を加えて曲げています。但し、このように外板を貼ったのは左弦だけで、右舷の方はコンストラクチャーモデルとしているのでフレームが露出したままにしております。
この船は外板だけでなく船の内側も板が貼ってあります。倉庫の荷物で船体を傷つけない、ビルジを貯める等、色んな目的があるようです。勿論ここでも手抜きはしないで、内側の板も図面通りに貼りました。
水路というのでしょうか、デッキの両横に断面が3角になった棒があります。デッキを貼る前にこのウオーターウエイを船体内側のフレームに貼りつけました。これらの取り付け寸法を決めるとき適当なゲージは市販されていません。そこで本物の船の造船所で使っているガントクレーンをまねてガントスケール(用語まで発明した)を作り船内各部の寸法が容易に測れるようになりました。
フレームの内側には板を貼ります。この板は防水というより、オーロップに荷物を積み込んだときに、フレームに損傷を与えないようにする防護壁の役目をしています。
船底の方は隙間なく貼りつけていますが、船腹の方は所々貼ってない部分もあります。この図面を見てよく分かったのですが、キットでは表現のしようがない船の内側の様子が大変よく分かったということです。
貼った後、内側の板をサンドペーパーでなめらかになるまで磨きます。