タンデムになったキャプスタン
アッパーデッキキャプスタンの軸が下側にのび、ガンデッキのキャプスタンと結んでいる。キャプスタンの動作はいずれも同じであるが上下で操作することにより力を倍加することが出来る。特に錨索の引き上げは、最大限の要員を確保しないと無理であろう。
ガンデッキは暗い、写真でも暗くなる。タンデムの下側キャプスタンが僅かな光で光っている。
帆を格納する倉庫である。此処の管理も掌帆長が責任者になっている。
新しいセールの材料、使い古したもの、いろいろ入っている。長期な航行では時間稼ぎにこれらの材料を使って帆を作ったり、補修をしたりする。予備のセールを保管している。
これの管理も掌帆長に任されている。下側には錨索、上側には誘導用ロープが整頓良く保管されている。これらは掌帆長の指示がないと動かすことはできない。模型で実感を出すのが難しく、苦労したところである。
実感を出すために錨索はオイルステインで染めた。
船底に倉庫群がある。あらゆる必要物資が此処に集積されている。ワインの隣には火薬など、又その隣は弾丸、センター部分には大きな錨の予備が立てられている。暗くて臭いところであるが、何回注意しても嵐のときなんぞは、オーロップで大きい方の便をする奴が未だに絶えない。罰則対象になっているのだが証拠が掴めないので困っておる。
大砲を打ち出す窓のことである。大砲は水に濡れるのを嫌がるので戦いをしないときは蓋をするようになっている。一人ではとてもこの蓋を開け閉めは出来ないので、必ず2人以上で行うこと。蓋の大きさはメインデッキで大体1m角、アッパーでも80cm、厚みは15cm以上にもなるのでその重さは想像できるだろう。
この艦は74門艦という以上、片弦に37門の大砲を積んでおる、それに予備の砲身とか、砲架を加えると大砲だけでその重量は艦全体の20%にも相当するのだ。この艦には74門の大砲を装備している。片弦一斉射撃で約10gくらいの衝撃を受けるだろう。戦闘艦の生命は大砲とも云える、数だけでなく、早くそして敵艦に命中することが最大の攻撃になる。一瞬を争うので手が抜けない。勿論大砲は航行中も常時清潔に手入れしている。
一斉射撃をするとその衝撃は過大になり、転覆しないとは限らない、だからできるだけランダムに発射するよう訓練している。
この大砲の砲身の出入り口がガンポートである、ガンポートは大きくすると砲を扱いやすくなるが、あまり大きいとこれが弱点になり敵の攻撃を受けやすい。小さいと砲の攻撃角度が狭くなり扱いに困る。これという原則はないが多分過去の戦闘の経験で大きさが決まっているのであろう。もし戦闘に支障があると言うことになれば直ちに海軍省に申請して改造することになるだろう。
錨のロープ通り道
この場合ロープの通り道で、ガンデッキからオーロップにはロープ専用のハッチを通ってロープはオーロップの錨索庫に保管される。錨索は補助ロープに結びつけその補助ロープをキャプスタンで引っ張る。
錨索は前のハウスホールを通して艦内に入る前の板は、ロープに付いた水をしごくもので、しごいた水のたまりになる。
錨索はフォアハッチからロープ倉庫に入る。この辺のデッキは帆の修理作業にも使う。ロープは後部のキャプスタンを回し引き揚げる。
錨索を固定するストッパーである。
デッキを上から見ると艦内としては広い場所である。
個人の倉庫ではない。船の航行に必要な器具、素材が入っている。細かく云うと、各種ロープ、マイハダ、その他小物となっている。
錨索倉庫と船底積み荷の上が掌帆長の倉庫になっている(黄枠内)
この補強板はオーロップデッキを貼ると見えなくなってしまった。もう写真でないと見ることができない。
錨 穴
鎖に繋いだロープ(ケーブル)を艦内に引き上げる穴である、重い錨を持ち上げるので、表面は摩耗しやすい。ロープに含んでいる水分はここでかなり大量にしごき落とされるが、ロープを格納する前の段階でデッキにしごき板がありこれを通してロープは倉庫の中に引き入れる。
しごき板の前は水槽になっていてしごいた水がたまるようになっているのだ。