第37回 世界の帆船模型展 2/8

  番号    船 名  製作者  番号    船 名  製作者
No.11   カカフェゴ 金森 弘一 No.16   シャベッコ 富山 亜男
No.12   高田丸 金森 弘一 No.17   チャールズ・ヨット 伊藤 嘉彦
No.13   ミニチュア・モデル3点 久保田 光昭 No.18   昔の帆船群 福田 正彦
No.14   パンドラ 前川 政司 No.19   監獄船 福田 正彦
No.15   日本丸(旧) 中村 健司 No.20   ブルーノーズ 西 重道

  No.11  カカフエゴ (CACAFUEGO) 

 

    製作者:金森 弘一    船 籍:スペイン    建 造:17世紀    縮 尺:1/360

    キット:自 作

 

 ミニチュア・モデルの部品はとても小さいものが多いので納得出来る機能をもった工具を設計して自作した。主なものは卓上型高速丸鋸・鉋・撚り器等で、これらを作るために小型工作機のボール盤・旋盤・フライス盤を購入した。 

 工作機は船の部品つくりにも有効に使える。ロープは市販の合成樹脂の糸をほぐし、複数の単繊維を3本組とし、撚り器で外径0.1から0.7のロープ7種を撚った。0.3㎜の格子や滑車・マスト・甲板等は、ツゲ材で作った。尚ケースは船の大きさに合わせ、銘板も自作した。正確さと時間の無駄を省くための治具作りは欠かせない作業だった。

 

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  No.12   高 田 丸 

 

    製作者:金森 弘一    船 籍:日 本    建 造:1859年    縮 尺:1/100

    キット:自 作

 

 「西国の諸大名は500石積み以上の軍船を建造してはならない」と徳川家康が慶長14年(1609)禁令を出した。やがてこれが民間の商船にも及び、政治上の強烈な仰圧の下で江 戸期の船舶は奇形に発達した。技術を退行させる政治に対しそれを穏やかに受け入れつつ、古い型の和船を精一杯に成熟させたのがこの後期大和型であり、その努力と知恵は驚嘆すべきものである。と司馬遼太郎の著作にあった。 

 10世紀前半150トン積み弁財船に船頭以下12~3人が乗り組んで、優れた上手回しの操船技術で西宮から江戸まで平均速度6.6ノットという記録もある。私としては初めて作る和船独特の単純化された深みのある技に浸りながらさわやかな気分であった。

 

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  No.13   ミニチュア・モデル3点 

 

    製作者:久保田 光昭    船 籍:イギリス    建 造:19世紀末    縮 尺:1/700

    キット:Navy Models & Books

 

 1/700ホワイトメタル製の洋上模型キットを用いて、いくつかの表現方法を試してみた。64門艦アガメムノンは軽く左舷開きで帆走している様子をミニ・ジオラマとして再現してみた。74門艦ベレロフォンはキット船体のメインウェールから下側を切り離してNavy Board Model風に仕上げてみた。 

 98門艦テメレイアはターナーの有名な絵画を基にボックス・ジオラマ風の仕上がりを模索してみた。キットは以前Skytrexというメーカーが発売していたもので、現在もNavy Board Modelsという会社から入手可能である。

 

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  No.14  パンドラ (PANDORA) 

 

    製作者:前川 政司    船 籍:イギリス    建 造:1779年    縮 尺:1/64

    キット:自 作

 

 1779年に建造された24門フリゲート艦。アメリカ独立戦争中は北アメリカ方面で任務についた。講和後の1790年にバウンティ号反乱の捜索に派遣された。タヒチで14人の反乱者を拘束し、甲板の檻に収容したがこの檻はパンドラの箱と呼ばれた。帰途の1791年クイーンズランド海岸で座礁沈没した。1977年海底より発見され、その一部が引き上げられてクイーンズランド博物館に展示されている。 

 材料はペアーウッドを主体にして、ワトコオイルで仕上げた。

 

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  No.15   日 本 丸(旧)

 

    製作者:中村 健司    船 籍:日 本    建 造:1930年    縮 尺:1/160

    キット:ウッディジョー

 

 横浜みなとみらい21地区に保存係留されている帆船「日本丸」は、帆を広げた美しい姿で「太平洋の白鳥」と呼ばれている。ああ!私がこの船のオーナーになって地球を回る冒険の旅に出たい。だが、待てよ!日本丸の模型を作り「悠久のロマンに浸る」これは可能だ。そんな思いで製作に挑戦した。 

 日本丸訓練センター教室で行われた講習会の時に実物の「日本丸」を毎回観察して、手すり、ボートカバー、消火設備、他全般にわたり参考にした。この上ない環境で製作できたことを感謝したい。

 

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  No.16  シャベッコ (SCIABECCO) 

 

    製作者:富山 亜男    船 籍:イタリア    建 造:1753年    縮 尺:1/60

    キット:アマティ

 

 シャベッコ(英語ではジーベック)は、ほぼ地中海でのみ使用された船種で、中世から19世紀まで長い期間に亘り、商船、小型軍艦、私掠船(海賊船)に至る様々な用途で使用された。長く突き出した船首と長大な艦尾楼甲板(ガレー船の名残)、大きく傾斜した前檣を持ち、ラテンセイル(大三角帆)と凪でも推進できるように櫂の両方を有するのが特徴。

  この模型は中世イタリアの港湾都市リヴォルノの船。昨年、本船を展覧会のために急ぎ製作したが間に合わず製作途中で出品。今回これを完成させたが、当初の雑な作りが随所に出てしまった。

 

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  No.17  チャールズ・ヨット

        (CHARLES ROYAL YACHT) 

 

    製作者:伊藤 嘉彦    船 籍:イギリス    建 造:1674年    縮 尺:1/64

    キット:ウッディジョー

 

 60歳を期に、帆船模型作りに初挑戦、基礎講習会を受講し講師の方々にその製作技法を御指導頂きながら、チャールズ・ヨットを製作。工具を購入したり加工用の治具を製作したりということで、一からのスタート。製作はもっぱら週末で、一年半を費やし何とか完成。 

 記念すべき一艘目は、親友の新築祝いに寄贈。すでにキュリオの中にその繋留場所を確保されており、展覧会終了後広島まで搬送予定。二艘目は我が家用に、先輩諸氏の助けを借りながらもう少し大きな帆船に挑戦しようと思っています。

 

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  No.18   昔の帆船群 

 

    製作者:福田 正彦    船 籍:多数国    建 造:多年代    縮 尺:―

    キット:自 作 

 

 これは、各時代の帆装を主眼としたイラストの立体化模型である。船体を正確に再現したものではなく、時代や地方によって帆装が如何に変化したかを一望して見て頂きたい。

 

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  No.19   監 獄 船 (PRISON SHIP) 

 

    製作者:福田 正彦    船 籍:イギリス    建 造:18~19世紀頃    縮 尺:1/143

    キット:自 作

 

 18世紀から19世紀にかけて英国では廃船となった軍艦を主にナポレオン戦争捕虜の収容所として使用した。エッチングの絵で見ると二層甲板艦なので74門艦の図面を参考にして いる。 

 現在船体作りに集中しているが、廃船としてどのように汚すかが取りあえずの主題である。

 

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  No.20  ブルーノーズ (BLUENOSE) 

 

    製作者:西 重道    船 籍:カナダ    建 造:1921年    縮 尺:1/64

    キット:モデルシップウェイ

 

 ブルーノーズは1921年カナダで鱈釣漁船として建造されました。全長44m、全幅8m、喫水線上高34m、排水量280tのフィッシングスクーナーです。当時は船に冷凍冷蔵設備が無く、獲った魚をいち早く陸揚げする必要があった為に快速艇が求められました。

 また漁船の速度を競うレースも盛んに行われ「ブルーノーズ」は漁船スクーナーレース国際大 会で活躍して有名になり、ルーネンバーク(カナダ・ノバスコシア州)海軍レースでは2回優勝し、カナダで最も速いフィッシングスクーナーとしてのレコードをもっていました。彼女の晩年は1946年まで貨物運搬船として活躍した後、ハイチ沖で沈没しました。

 

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