2025年4月3日(木) 13:15~16:40
かながわ県民センター 304会議室
基礎講習会担当 廣野
第7回講習会は、寒さのために桜の開花が遅れた菜種梅雨の小雨が続く日に、出席12名、欠席5名の状況で開催されました。
事務局からの連絡事項で、今後のグループ別情報交換会の模型持参は運搬時の破損懸念があるため写真提供による方法に変更すること、次回の第8回講習会で展覧会用の集合写真の撮影を予定しているとの話がありました。
その後グループ別情報交換会を行い、本日は雨であったことや運搬時の破損問題もあったため模型を持参したのは3名で、全受講者が3隻の模型を取り囲んで情報交換することに変更しました。製作者からのリギングに関する質問や講師から製作時に注意してもらいたい箇所の話があり、受講者は各自の模型製作に反映できるよう熱心にメモを取るなどして聞いていました。受講者が製作中の模型を前にしたこの情報交換会は、実際に模型製作で困っている事を多くの方と意見交換して、問題解決できる場になっていると感じました。
続いて講師から展覧会に関係して
・作品をどう作るのかという目標を持つこと、
・他作品と比べるのではなく他作品の良い点を参考とすること、
・模型なので実物と同じには作れない場合はそれらしく見えるように、
など、模型製作全般の考え方について話がありました。
今回の講義はマスト・ヤード・セールのランニングリギングについての説明でした。まずヤードについては帆を張っているときのセールリグと、帆を畳んでいる時や取り外している時のハーバーリグの状態でヤード取付け位置が異なるため、受講者がヤード位置を間違えないように製作中の模型の確認を行いました。今回は全員がハーバーリグでしたが、セールリグのことも知識として覚えておく必要があるので、両方の内容について説明がありました。
講習会の教材は小さいサイズの模型ですが、リギングの説明は大きな模型と同じフルリギングの説明で盛沢山の内容となりました。特にフォアマスト、メインマスト、ミズンマストは共通する内容が多く、ある部分を一例として詳しく内容説明がありました。まずマストにそれぞれのヤードを取り付ける際のパレルの作り方、ヤードを上下させるハリヤード、ジアー、ヤードを水平に保持するリフト、ヤードのマストを中心にした方向を調整するブレース、更にミズンマストのラティンヤード特有のリギングについて、配索図をプロジェクターで拡大して詳しい説明がありました。続いてセールを張る時のリギングや、セールを畳む時に使用するリギングについての説明があり、帆を操作する時のリギングの役割が理解出来た貴重な機会でした。
実技の講習は非常に小さいブロックの作り方について行われ、小さいブロックを作る時に使用する拡大レンズがついた眼鏡類、小さい部品を確実に挟める精密な先端のピンセット類、リギングが錯綜して密になっている部分で活躍する先端を鋭く加工した長いピンセット、手元を明るく照らすヘッドランプの紹介があり、皆感心するばかりでした。
中身の濃い説明内容で時間があっという間に過ぎ、予定時間をオーバーして16時40分に終了しました。
次回の第8回講習会は6月4日(木)、かながわ県民センター305会議室 13:15~の予定です。