火気厳禁、当たり前、灯火といえども裸火は一切使用禁止。
ロウソク一つで艦を沈没させることだって出来る。戦闘中これらの事故で沈没した艦も多い。火薬を運ぶのは体重の軽い、そして敏捷な少年兵であり、これらはパウダーモンキーとあだ名が付けられている。
少年兵は転倒、滑りを防ぐためすべて裸足で活動する、火薬運搬の通り道は水をまき防火に心がけている。危険なので今は火薬を入れてない。
まるでパチンコ弾の模型を積み重ねた感じがするが、模型ではボールベアリングのボールを使っている。これは秋葉原のベアリングやさんで見つけた物だ。大小さまざまなボールだけを袋に入れて売っているので、この艦以外の模型でも色んなところで活用できるだろう。
弾の大きさは3種類であるが、この倉庫にはランダムに入れてあり、すくいだした後で大きさを分別している。この当時はこんな馬鹿げたことも平気でやっていたのである。
何個くらいストックしているかって、そんな質問をするな、この前、1発海へ落としたので1発減ったと云うことはよく分かっているが、現在数なんて数えたこともない。これが無くなったら早々降参することだ。 ぎっしりと黒光りのする弾丸たち
ピッチは貼り板の隙間にマイハダと共に詰めるとか、ロープに塗るとかで使っている、なお此処にはカンテラを灯す為の鯨油も保管されている。樽の上当たりがピッチの倉庫
倉庫の真ん中にどかんと居座っておる。これがアンカーである。港から見たときはあまり感じないだろうが、こんな狭いところに閉じこめられると驚くほど巨大に見えるだろう。そりゃーそうだ。長さが5.2mある。君たち日本人の身長から見れば大人3人分くらいだ。重さは2.6tonでその重さの想像が付くだろう。
此処に置いてあるアンカー以外にシートアンカー、スモールボウアー、ケッジ等大小取りそろえこのオーロップに保管してある。でんと中心で重量バランスを取っているのが予備のアンカー。
コックピットというのは一般的に闘鶏場と訳されているが船の場合は、青年士官の居室になっている。戦闘が激しくなり怪我人が出たときは、医師の手術室に変わる。
普段机もないので座ったり寝ころんだりかなり自由である。賭博をやると当然罰則を受けるが昔から絶えないのがこの道、気をつけろよ。
黄色の枠内がコックピット
アッパーデッキにもクオーターデッキにも大砲は積んでいるが、このガンデッキには主砲の36ポンド砲を28門、片弦14門とずらり並べている。因みにアッパーデッキには18ポンド砲30門、クオーターデッキには8ポンド砲を16門配備している。
下のデッキほど大きい砲を配備しているのは、船の強度、安定度から上の甲板ほど軽くするためである。片弦だけ大砲の砲身を船外に突き出すと下図のようにバランスが崩れ、船が傾く。