福田 正彦

第9日 2013年8月11日:トラフェミュンデ(TRAVEMÜNDE)/ドイツ

 昨夜は最後の夜ということで、寒い甲板から戻ったピアノバーで寄り寄り集まってああじゃこうじゃと写真を見ながら話が弾んだ。もうみんな百年も前からの友達のようで寄り集まっても違和感はちっともない。中心はやっぱり正式に写真の修業を積んでいる岩崎さんになる。後で頂いた写真を見ると、構図もそうだけれども色合いやトーンもしっかりしていて、専門家の助言はやはり貴重なんだろうと思う。

 

 午前4時にスーツケースの回収というから、ネボスケのぼくは自信がない。まあ邪魔にもなるまいと寝る前に部屋の前の廊下の片隅に置いておいた。これが正解。栗田さんは寝過ごしてあたふたと頼み込んでスーツケースを始末してもらったとか。トロピカルバーにはいつも重要な項目を書いてあった白板に有難う、またすぐ会いたいと紋切型だがちょっとうれしいことが書いてある。残念だけどこっちはもうご縁がなさそうだ。

 7時50分には出発地のトラフェミュンデに着岸、計算書とパスポートを受け取って8時半に懐かしのスター・フライヤーを後にする。バスでハンブルグに向かう。「ぼくの日本語は…」と叫んだ若者がまた来てくれて世話を焼く。気温は16℃とかなり寒い。ハンブルグ空港ではまだこの地を回る栗田さんご夫妻と別れ、この旅行はここで目出度く解散となった。